「人生が明るくなった」野球人生の転換期。価値観を変えた先輩の言葉

「人生が明るくなった」野球人生の転換期。価値観を変えた先輩の言葉

大学野球のレベルの高さ、そして後悔


ー 立教大学に入学されて野球部に入ってどうでしたか?


澤田:自身の経歴としては、甲子園に出ていたので遜色はなかったんですが、経歴以前に単純に野球上手い人がいっぱいいるなと思いました。聞いたことがない高校の選手でも「肩つよ!」みたいな。

大学の先輩で4年生に楽天の田中和基選手がいまして、高校が福岡県にある西南学院っていう高校で、偏差値は高いんですけど、野球はそこまで注目していなかったんです。でも、その人の肩の強さとか、手首の強さでホームランに持っていくのを見て、甲子園だけじゃないんだな、大学って本当にレベル高いんだなって思いました。


ー レベルが高い大学野球部の中ではどのようにアピールしたんですか?


澤田:大学1,2年は、大学でも160〜170人くらい部員がいたので、1年間は試合には出れないなって分かっていました。なので、とりあえず覚えてもらおう、大学の先輩から好かれようとしていました。誰よりも動いて、誰よりも笑わせて、まず「澤田俊一」を知ってもらおうとする努力を1年間していました。野球の練習ももちろんやってたんですけど、それ以上に、教えてもらう上で、真面目すぎて面白くないなって思われるのも嫌だったので。

バカな役を演じるというか。まぁ本当にバカなんですけど(笑)人から好かれることを第一にやってました。

ー その後どのように野球に打ち込んでいたのですか?


澤田:立教大学って、部員が170名くらい居るので、A~Dチームの4軍制なんです。2年生くらいまではAチームにいて頑張ってたんですけど、3,4年生の時は、4年生の最後くらいしかAチームにいられなかったです。レベルが高かったっていうのもあるし、自分がプロにはなれないって思った時期が大学2年の終盤くらいだったので、そこから気持ちが切れてしまったというのはありますね。プロなれないのになんでやるんだろうって。

昔はプロ野球選手になるのが目標で、高校時代も頑張っていたんですけど、心が折れてしまって。プロ野球選手になれないと思ってからの行動とか言動に対して後悔しています。

立教大学・澤田俊一・守備 | クラスタ
立教大学時代の澤田氏

価値ある出会い。大学野球で得た繋がり

ー 後悔もお有りだったんですね。それでは、立教大学で野球をして良かったなと思うことはなんですか?


澤田:人との繋がりですね。僕が1年生の時の4年生から、僕が4年生の時の1年生まで、合計で350人くらい同じ釜の飯を食った仲間たちがいるので。それが仕事にも活きてきたりとか、就活の時も色々な人に話を聞けますし。何か悩んだりしたときに、自分と似たタイプの人が1人はいるので、その人に話を聞いたりできました。

色々な人と出会って、価値観や目標、夢を聞けたので、モチベーションはすごく高くあり続けられましたね。

ー色々な人との出会いがあった中で、例えば、他の部活の選手との交流もありましたか?


澤田:ありました。僕は立教大学の経営学部に入学したのですが、他の学部と比べても野球部が少なくて、4人しかいなかったんですよ。でも、他のスポーツやってた人が周りに多かったです。同じ学部で授業を受けてる時も、野球部で固まっていたら、その隣でソフトテニスで高校時代全国行った人たちが固まっていたりしていて。いざ話してみると、高校時代頑張ってた人同士、共通している部分もあって仲良くなりました。さらにその下の学年や、その友達の人とも仲良くなって。学部内での繋がりはそんな感じで、スポーツをやってた人と仲良くなりましたね。未だに野球部以外の人とも年に1,2回は会いますよ。

青春をスポーツに捧げて。広がった自身の可能性

ー 青春をスポーツに捧げた総括として、良かったこと、後悔などはありますか?


澤田:良かったことは、人との繋がりという部分につきますね。大学野球も高校野球も全国に友達がいるので、それが本当に心の支えになっていて、困ったりした時に頼れる人がいるのは良かったなと思います。

後悔は、大学2年生くらいで自分の実力に気がついて、プロ野球選手になることがもう無理だなって思った時ですね。自分の最大の夢が無くなって、自暴自棄になって本気になれなかった所が最大の後悔ですね。

ー 野球を通して、価値観や判断基準、人格の形成に繋がった部分はありましたら教えてください。

澤田:大学の時の同じ学部の先輩に、現在大垣日大高校で野球部のコーチをやってる方がいまして。その方も僕と同じく、自由選抜入試制度で同校から立教に入った方なんですよ。

その方から「野球は野球、遊びは遊びでどっちも楽しめ、大学生なら」と言われて。

それまでは野球ばっかりで真面目だったんですけど、そこから人生が明るくなったというか、笑いも取れるようになったし、楽しい人間になれたのかなと思います。

でも、その先輩も野球をやるとものすごい真剣で、立教の副キャプテンもやってました。

そういう先輩との出会いが何人もあったのが大きかったですね。

立教大学・澤田俊一 | クラスタ
立教大学時代の澤田氏

ーー澤田さんのお考えで良いのですが、立教大学を卒業すると、どういうキャリアを歩める可能性が生まれると思われますか?

澤田:みんなが知ってる上場企業に就職できるチャンスは多いかもしれないですね。大学自体が長い歴史なので、今の役員の方が立教の野球部でした、とかがあるんです。立教って東京六大学連盟なので、先輩が立教だけじゃなくて東大、明治、早稲田、慶應義塾、法政の先輩方も同じ連盟っていうことで繋がりを持ってくれているんですよ。それで親近感がなぜか沸くのが東京六大学野球なので。

そういう方が大企業の上層部にいたりするので、詳しいお話も聞けたりして、チャンスは多いのかなと。

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